富士山という山は、四季折々、本当に多彩な表情を私たちに見せてくれます。
その中でも、『赤富士』と呼ばれる、真っ赤に染まった富士山の姿は格別です。
ロッキーさんの作品の中にも見事な色合いの『赤富士』は何作かあるのですが、その中の一つのお話をうかがいました。

そして、この日は珍しく五反田のサロンではなく、小さなサロンにうかがうことになったのです。

「横浜の反町という駅のすぐそばにある、ちょっと前まで藍原歯科クリニック。その先生は、50年間治療してきて、地域でとても人気があって、歯を抜かないので有名な先生なんです。根本からちゃんと治す。先生自身は色々やりたいことはいっぱいあって、今までやってきた中で付き合った人も随分多いし、新しいことや興味あることがいっぱいだから、いろんなとこに顔出してるんです。そして『よし、50年で1回区切りをつけよう。この後は好きなことを見つけよう』ということで、医療器具を全部取っ払ったんです。4ヶ月かけてきれいに改装して、人々の癒しのサロンを作ったんです」と、ロッキーさんはおっしゃり、サロンのオーナーである藍原先生のことをご紹介くださいました。

ロッキーさんはデビューされてから25年なのですが、藍原先生とのお付き合いは、20数年。
ほぼロッキーさんの『ときめきの富士』の歴史を丸々ご存じのお付き合いとのことで、お持ちになられている作品も70点以上というコレクターでもあるのです。
『ときめきの富士』は、ロッキーさんが感じる最高の作品群であり、現在97作品ありますが、時折入れ替えが起こり、卒業していった作品が、実は少なくないのです。
そんな、今ではお目にかかることがない作品が、このサロンに飾られている相原先生のコレクションの中では拝見できるのです。

この改装されたばかりのサロンの名前は『エールアイ』と言います。
「藍原先生からみんなにエールを送る。それから、『アイ』は自分ですから、一人一人が自分にエールを送る。そして、生きとし生けるものに感謝をして生きる。だからエールアイと言う名前にされて、『サロン・エールアイ』なんですよ。そこで、こけら落としに、ロッキーさんの展示会やってくれないか?』と、声をかけて下さいまして……」と、目を細めるロッキーさん。

と、こんな理由で藍原先生のコレクションに加え、ロッキーさんの作品が多数展示された展示会が行われることになったのです。

いつもとはちょっと違う作品群に囲まれて、みごとなまでに鮮やかな『赤』に染まったロッキーさんの『赤富士』のお話です。

「今、梅雨の時期ですけれども、梅雨が終わった後、あるいは梅雨の最中~8月にかけてが赤富士のシーズンなんです。富士山はもともと活火山ですから鉄分を含んでいるんです。そこに水分が浸み込み朝日が当たると、その朝日が強烈であればあるほど反応して赤富士になることがあるんです」と、解説してくださるロッキーさん。

「もうちょっと詳しくいいますと、赤に近い光は波長が長いんです。青に近いものが短いんです。朝日が当たっても跳ね返って見える光はこの赤、青が消えてますから、赤だけずっと見える。しかしわずか10秒位の出来事なんですよ。私の仕事はとにかくイメージをして、この瞬間に1時間前に立つこと。それを繰り返し10年ぐらい続けているわけです。その中で一番劇的なシーンだった二合目の赤富士」と、おっしゃるロッキーさん。

高さ1200~1400メートルという場所で撮影されたとのこと。
滝沢林道というところだそうで、車で行って、10分ほど歩いた場所なので、比較的簡単に撮影現場まで行くことは可能です。

「ただし、99%見ることは無理だと思います。10秒後には茶色に富士山になってしまいます。瞬きしてたら終わってしまいます。この二合目の所に深い谷があるんです。そこにいつも霧がかかってしまって、あるいは雲海が富士山を隠してしまうんです。ここにある年、霧が湧いて、いつもは途中で止まってしまうものが、霧がずーっと谷を走って端まで走ったんですよ。まさに龍が走ったわけですよね……」と、ロッキーさん。

この作品のフレームの左の方で、普段は雲海が終わってしまうそうですが、この年、この瞬間に限って 画面右端まで全部雲で埋めつくされ、そして10秒間だけ富士山が赤く染まったという奇跡の情景が、この1枚の作品に焼き付けられているのです。

地球の営みの中の奇跡的な瞬間に現れる『赤富士』
直接お目にかかること自体なかなかないはずの姿を、パーフェクトな構図の作品としてフレームに収めるということは、奇跡の中の奇跡に思えます。

ところが、ロッキーさんの作品の中に『赤富士』が何枚も存在しているのです。
「僕は『赤富士』に好かれておりまして、いろんな形態の『赤富士』が僕の前に出ていましたよ。10何種類。違う種類がありますから、順次ご紹介していきます」とのことですから、楽しみです。

「この『赤富士』というのは日本人は大好きで、古来より吉兆の印だと言われています。心の中でそれを確信することは、そうなりますからね。病室に飾ったり、進学する子どもの部屋に置いたりしたら、部屋が明るくなったり、みんな前向きになったり、交通事故に遭わなかったり、お客さんがどんどんそれを言ってくれるんです。私は保証できないから、『これはあなたが前向きだからですよ』とお伝えします。『赤富士』を大事にしてくれたら、そんな風に後押ししてくれる……」と、おっしゃるロッキーさん。

『ときめきの富士』の作品は、それぞれの方が、ご自分と波長的に合う作品に、ピンとくる何かを感じるのです。
そして、その作品を手元に置くと、その作品のエネルギーがミラクルへの扉を開けてくれたり、良き方向への後押しをしてくれたり……
多くの方が、『ときめきの富士』との出会いで、この現象を体験されているのです。

締めくくりにロッキーさんから一言。
「赤富士は吉兆なり、そして自分の想いが結実していく。私はそれを確認しておりますし、うれしいなと思っております」

詳しくは動画をご覧くださいませ。

■ ロッキー田中 ときめきの富士 公式ホームページ
● 皆が見たことのない、なんとも言えない素敵な富士山の写真が、ここにあります。

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現代の北斎 ロッキー田中の『ときめきの富士』一覧