やっと世間に知られ始めたけれど、まだまだマイノリティーな『ヴィーガン』という食のスタイル。
日本で唯一の『ヴィーガン柔術家』の石井拓さんに、健康にも、環境にもとても良い『ヴィーガン』の世界について教えていただきました。
『ベジタリアンの延長線上』といってしまうと語弊があるかもしれませんが、『ベジタリアン』の進化系が『ヴィーガン』といってもいいかもしれません。
『ベジタリアン』にも、色々な分類があり、魚介類OKなスタイルや、乳製品や卵はOKというように、野菜中心の食生活にプラスアルファでその方の考え方で、『OK』にしている食べ物があったりします。
ところが、『ヴィーガン』は違うのです。
乳製品も卵もハチミツも、動物性のものを本当に一切摂らないという、かなり厳密な形の食生活です。
ブラジリアン柔術の元全米チャンピオンである石井さんご自身が『ヴィーガン』というライフスタイルを選んだのは、柔術家という道にいらしたからこそでした。
プロスポーツでは、それぞれの種目で、試合に際して体重の測り方があります。
柔道や他のプロスポーツであれば、体重の計量は1日前、あるいは当日の朝に計測する方法である一方、柔術では、試合が始まる直前に計量するとのこと。
要するに試合の直前まで、『減量』を意識しながら、試合ができるコンディションも維持しなくてはいけません。
そこで石井さんは、「野菜だけ食べれば軽いままいけるんじゃないか?」という単純な発想から試したところ、結果、調子が良かったのです。
また、高校時代には、柔道をやっていた石井さん。
寝技をかける際に、『肉食』だと、内臓に負担がかかっているのがわかったのだそうです。
ところが野菜中心の食生活に切り替えてから、柔術は本当に柔道と同じで寝技中心ですから、もろに体感として出てくるのです。
野菜中心の食事に変えてみたところ、リカバリーが予想以上に早いということに気づかれました。
世間一般には肉好きの方も多く、肉を食べるのは当たり前と思われる方も多いですが、実は人間の胃腸にとって、お肉を消化するのには、非常に多くのエネルギーが掛かるのです。。
確かに、狩りをする肉食獣は、食べた後は、消化にエネルギーを使うため、何時間もじっとしています。
また、地球環境のことを考えても、お肉を1キログラム作るのと野菜を1キログラム作るのとでは、環境負荷が全く違います。
お肉を1キロ作るのに10キロの食料を使うと言われています。
つまり、1キログラムの牛肉や豚の肉を作るために牛や豚が食べる食料で、人間は十分生きていけるということなのです。
「ハンバーガー1個を食べると二十数人分の食料を消費するということを知った時。全世界を私一人では救えないけれど、自分が一回一回できることはなんだろう?と考え、食生活を変えるのが一番早いかな?と思ったんです」と、おっしゃる石井さん。
確かに、そこのバランスをちょっと変えるだけでも変化が起きるのです。
こうしたことを訴える意味もあって、石井さんは本を出版されたのです。
「この書籍は、昨年先行してKindle版で発行され、今年になって書籍化になりました。売れ行きはまずまず、この機会にぜひ皆さんに読んでいただきたい一冊です。この本の中で1番伝えたいポイントは、柔術とヴィーガンは関わりが大きいということ。もともと柔術の創始者がエリオ・グレイシーさんとおっしゃり、グレイシー柔術の中で、彼の一族に代々伝わっている『グレーシー・ダイエット』というものがあり、野菜ベースのヴィーガン食に近いものです」と、石井さんはおっしゃいます。
石井さんご自身、『グレーシー・ダイエット』を取り入れて柔術家として花開いていったということです。
その結果、現在海外でもご活躍の石井さんは、世界選手権でも準優勝。
さらにその後、柔術のスタイルを変えてからたまたま出会った先生もヴィーガンだったのです。
やはり真剣に取り組んでいる方は、食生活もきれいにそぎ落として行って、技に出していくということなのでしょう。
しかし、普段の食事でお肉を摂っている方に、いきなり『ヴィーガン』の食生活をお勧めしても、まったくかみ合いません。
それでも、少しずつ変化させるだけでも、いずれ世の中に大きな変化が起きるのではないかという思いから、石井さんご自身も世の中に広めていくために活動をされています。
ご自身で講演をしてヴィーガンとは何かと言うこと、また、皆さんが普段の生活でどういったことができるかをお伝えされているそうです。
さらに、ボランティア活動の一環として、『ミート・フリーマンデー』というグループで、月に2回、第1・第3日曜日におにぎりを作ってソイミート(大豆ミート)を入れて皆さんに配ると言う活動もしていらっしゃいます。
『ミート・フリーマンデー』=お肉なしの月曜日。
週に1日だけなら、ハードルは低め。
多くの方が取り組むことで、世の中にインパクトが起きるはずです。
石井さんとコンタクトを取りたい、ヴィーガンについてもっと知りたいと言う方は、石井さんのFacebook Instagramにご質問ください。
いつでもお待ちしていますとのことです。
詳しくは、動画をご覧くださいませ。
【石井拓さんのFacebookとInstagramはこちら】
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