『風の時代』に入ったと言われていますが、この新しい時代にふさわしい考え方を、一足先に実践し、素敵なスタイルでお仕事をされている、ミラクカンパニー株式会社の代表取締役・鵜川洋明さんからお話をうかがいました。

今までに2回ほど収録にも使わせていただいた『ビジョナリーワークガレージ』というスペースを運営なさっている鵜川さん。
小田急線の代々木八幡駅と千代田線の代々木公園駅から、徒歩1、2分という好立地にある素敵な場所なのですが、3階建ての古いビルの3階にあるので、ちょっと古めかしい感じの階段を上っていきます。
そして、扉を開けたとたん、階段やビル自体の印象とはまるで違う、カフェのような素敵な空間が『ビジョナリーワークガレージ』です。
とても居心地がよく、どこをとっても絵になるスペース。

「2018年の夏にできました。今年の夏で丸3年、ビル自体は古いです。エレベーターもないですし……。いろんな用途がありますが、自分で何か考え事をしたり、企画を練ったり、一人作戦会議をします」と、鵜川さん。

なんと贅沢な使い方!!
全体で、40畳もあり、メインのスペースも20畳はあります。
そこを企画を練るための場所にお使いになっているとは……。

「私は場作りをいろいろやるので、学びの場でもそうですし、人が対話したりだとか、いろんな目的でワークショップといって体験型の学びをやったり、そういうことを考えてやるのが好きです。ワークショップは、自分の中で扇の要・軸となるようなコンセプトがあって、『ビジョナリーワーク』というキーワードを使います」と、おっしゃいます。

『ビジョナリーワーク』という言葉は、ちょっと耳慣れないですが、鵜川さんがご自身で作られた造語なのです。
それで、スペースの名前も『ビジョナリーワークガレージ』になったというわけです。

自分がこうしたいという、自分の内側から湧いてくる想いを大切にして、内と外が繋がる状態で仕事ができていると、やりがい・生きがい・幸せを感じることができます。「自分がほんとに人生でこれがやりたかったんだな」という繋がりの実感を感じながら仕事をするのが『ビジョナリーワーク』なのだそうです。
そして、そんなふうになれる人を一人でも多く増やしたいという思いから、そこに繋がるようなきっかけになるような場として『ビジョナリーワークガレージ』があるとのこと。

「『自分の中で本当にやりたいことがわかっているのか?』そういうことを考える時間・気づく時間・きっかけや、そういうことにつながるワークショップを不定期でやっています。定期的に、毎週この時間とか、毎月このタイミングというのはありません。やりたいときにやる感じです」と、さらりとおっしゃる鵜川さん。

実に軽やかで、何にも縛られていない感じが、こちらの気持ちも楽にしてくれる空気感です。
ワークショップは、やりたいときにやるというように開催していくことで、なんとなく月イチになっているとか、1週間に1回行っているとかというように、定期的に行われる形になっていくこともよくあるようで、無理がないからこそ続く、良いお手本です。

「もともとは17年位サラリーマンやっていました。『ビジョナリーワーク』について話したことが、自分自身がそれをできていないということを感じていた時期があり、サラリーマンから移行したのはそれがきっかけ。前職が良いとか悪いとかではなくて、自分自身が自分に縛りを感じていました。期待に応えたいとか、評価されたいとか、優れていると思われたいとか。それはある意味、自分が成長するドライブになるという側面もあるんですが、それが過剰になると脅迫観念になります。やらなければいけない。じゃないと自分には価値がない。ここにいられなくなるんじゃないか?勝手に自分だけでドラマを作るんです」と、鵜川さんはおっしゃいますが、きっと、多くの会社員の方は、同じようなジレンマを感じているのではないでしょうか。

さらに続けて、こんな名言を!
「それでもハードワークをずっと続けてて、ある時ふと、『この先の人生が続くとして、この状態でいるのかな?』と。『この先ずっとこのままなのかな?』と、もの凄く自分の中で怖くなって、自分を無駄遣いしてる感じがしました」と、鵜川さん。

『自分を無駄遣い』
とてもわかりやすい表現です。
自分自身も、自分に与えられた時間を活かしきれていない、という悩みは、多くの方が持っているはず。

鵜川さんは続けます。
「じゃぁ自分は何をすると活き活きできるんだろう?自分を活かすって何?って考えた時に考え始めると、出てこないです。要はそこに目を向けずに、周りに対して『どう答えるか?』っていう答え合わせをするような……。考えるっていう行為をしてなかったから出てこないんです。『アクティブ・ノーアクション』つまり、無茶苦茶忙しいんですが、自分自身がこうしたいという思いに関してはノーアクションという状態がずっと続いていました。やりたいこと全てを全く押し殺してたかというと、そうでは無いんですが、『与えられた枠組みの中で自分のことをする』という感じになるので、そもそもベースが自分のしたいことではないです。これは良い悪いでは無いんですが、それが楽しかった時もありますが、だんだんそこに窮屈さ、『これでいいんだろうか?』ということを感じ始めたんです」

鵜川さんは、このジレンマから、いろいろ探求して人に会って、いろいろなことを繰り返していく中で、だんだんと、ご自身のしたいことや方向が見えてきて、自分自身が本当にこうしたいという思いから、それが誰か、何かの良いことに繋がっていくという、この実感を、ちゃんと感じたいなと思われたそうです。
そして、このことは、自分だけじゃなく多くの人がそれを求めているんじゃないかと思った時に、きちんと言葉として名づけたくなったのだそうです。

「『ライフワーク』『楽しむ・学ぶ・喜ばす』人生の中で大事にしたい言葉です。音読みすると『らくがく(楽学喜)』になりますので、最初は『楽学喜ライフワーク』と呼んでいました。それはそれでよかったんですが、例えばそれを企業人とかビジネス系の方々にその文脈で語ろうとすると、『ライフワーク』という言葉にちょっと固定観念がついてきて、『ライフワークって趣味でしょ?』っていうような、道楽的な印象になるんです。本来の『ライフワーク』って、自分が生涯を通じてやり続けたいことだと思います。それはお金を貰えないとか、趣味とかということじゃなくて、自分の人生をそこに繋げてやりたいことっていう感覚なんじゃないかと思ったんです」と、おっしゃり、『ビジョナリーワーク』という言葉を思いつき、商標まで取られたとのことです。

ご本人的には、計画的に作ったという感じはあまりなくて、流れの中で生まれてきた感じだとのことで、こんなメッセージを最後にくださいました。
「『流される方向だけを決めて流される』。大きな意味ではビジョンとか、そういうことなんですけど、「こっちのほうに行きたいな」ということなんですが、そちらに行っているんだったら何が起きてもいいし、自分が知らないことがポンと現れたときってワクワクするので、そういう意味で流されている感じです」
目を輝かせながら語ってくださる鵜川さんは、本当に楽しそうです。

まさに、これからの時代は、こういう軽やかさと柔軟さがキーポイントになりそうです。
次回、『ビジョナリーワークガレージ』についても、もっとお聞きしたいと思います。

詳しくは動画をご覧くださいませ。

■Visionary Workという働き方を提唱している会社
ミラクカンパニー株式会社(MeRAQ COMPANY inc.)