とうとう始まりました!
ロッキー田中さんの『ときめきの富士』の、97枚それぞれの誕生秘話。
今回の写真は、『黄金の海』
金色の雲海に浮かぶ幻想的な富士山が美しい、この作品について、ロッキーさんに語っていただきました。

この『黄金の海』が生まれた日は、富士山が見えない強風の中、夜の山の斜面にロッキーさんはずっと立っていたそうです。

普段のロッキーさんの撮影スタイルは、東京にいらして、富士山が呼んでくれたら、写真を撮りに(富士山に逢いに行く)というスタンス。
ですから、強風の中、山で待つという状況は、普段と比べてとても珍しいことだったそうです。

ロッキーさんは説明してくださいます。
「この写真については、夜中から山で待っておりました。南アルプス一帯の林道というのは冬には閉まってしまうんです。12月の初めでしたから、あと何日かしたらこの道に入ることができなくなってしまうので、車で入れるギリギリのチャンスを狙って待っていました。うれしいことに前の晩に結構雲が出て動いていましたので、雨上がりで、きっと谷に雲海がわくという期待だけを持っていました」

雲海だけなら、見ることそのものは稀ではありませんが、通常、雲海の写真はグレーであることが多いもの。
ところが、この作品の雲海は『黄金』なのです。

「私にはとてもありがたいことです。直前まで強風の中、真っ暗で、富士山が見えなくて、その強風のために黒い雲がびゅんびゅん飛んでくるだけの世界だったんです。あと10分、5分で夜が開けるという時でした。あれは6時半から7時ごろだったと思います。稜線に光がぱっと見えて、それがグーっと広がってくる時に富士山のシルエットが見え始めたのです。

『これは今まで見た事がないような色が見えるかもしれない』
その時にそういう予感がありまして、ワクワクしてカメラを固定して待っておりました」と、ロッキーさん。

「強風が収まって太陽がここの雲海の端から顔を出した瞬間に、ブワーっと2秒間金色になったのです。そのわずか2秒の間に撮ったのがこの写真です」と、目を輝かせながら、その時の瞬間に時が戻ったかのように、お話してくださいました。

確かに、写真の1番左側に放射状にきれいに陽がさしています。
その光の筋がまた美しいのです。

ロッキーさんは続けます。
「物事には二面性があります。目で見える世界と、見えない世界です。もしこの日、私が麓にいて富士山を撮ろうと思っていたら、厚い雲が上空に立ち込めて『今日、富士山見えないなぁ』で終わっていたでしょう。でも私はあの時、『今日は雲海の上に立とう』という気持ちでいましたから撮ることができました。いつも明るく前向きにという気持ちでいるので、二面性の良い方に出会えたのでしょう」

この写真が撮れた時、雲の下にいる人は、「今日は天気が悪いな」と思い、雲の上にいるロッキーさんは、「今日は最高だ!」と思っているわけです。
同じ時間でも全く正反対です。

そして、2013年に富士山が世界遺産になった時のこと。
富士山も金色、雲海も黄色というこの作品は、世界遺産を決めるための国際会議の資料の中に使われているのです。
その決定の場面に、この写真が登場しているということは、素晴らしいミラクルです。

また、この写真については、うれしいことがあったそうです。
この作品をお買い求めになったお客様が、「ロッキーさん!写真の中に文字が見えているのが分かりますか?ここに、『父母』という文字が見えます」と、おっしゃったのです。

写真の左の辺りの雲海の中に、言われてみれば確かに『父』『母』の二文字に見えるところがあります。
「雲の中に父と母がいて、富士山が生まれている」とも捉えられます。
なんとも、素敵な解釈です。

そして、ロッキーさんの先生である葛飾北斎さんの『富嶽三十六景』の中に『武州玉川』という絵があります。


場所は全く違いますが、構図がみごとに同じなのです。
この写真でいうと、雲海の中の『父母』という文字が見えるところに船頭さんがいて、丘陵があって、まさに同じです。

前回のお話から、ロッキー田中さんがお写真を撮る際は、富士山に呼ばれてから現地に赴き、待ち時間はわずか1時間くらいだとお聞きしていました。
ところが、この作品では夜から待っていたわけです。
そんな長時間の待機にもかかわらず、シャッターチャンスとして用意されていた時間はわずか2秒。
このわずか2秒をキャッチするということはまさに奇跡です。

「あの2秒はうれしかったです」と、おっしゃるロッキーさんですが、奇跡のチャンスを手にするということは、普段の心根、物事の捉え方や向き合い方が、大きく影響しているのは間違いありません。

「この写真を沢山の人に持っていただきたいです。部屋の空気がバンと変わりますから。いろんなことが前向きに進んでいくと思うのです」と、ロッキーさん。
実際に、ロッキーさんのお写真をご自宅や会社などに置いている方は、運気が好転されているというお話を多方面からお聞きします。
きっと、奇跡は連鎖するのでしょう。

詳しくは動画をご覧くださいませ。

■ ロッキー田中 ときめきの富士 公式ホームページ

● 皆が見たことのない、なんとも言えない素敵な富士山の写真が、ここにあります。

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