会話をスムーズに進めていく中でも、重要な『きく』ということ。
先月は『きく』の三段活用について教えていただきましたが、一番重要な『聴覚』の『聴』の字について、あおいくまさんにさらに掘り下げていただきました。

『聴く』と言う文字は分解すると、『きく』という行為を持つ本来の意味が字の形に表れていると、くまさんは発見されたのです。

パーツごとに分解してみると、『耳』『十』『目』『心』の四つのパーツで作られていることが分かります。

これらをくまさん流に解釈していきます。
まず、『耳』で音声をきちんとききます。
次に『目』でもききます。
『目』できくということは、『目』で見えるものをちゃんと観察するということです。

さらに耳や目以外の五感もしっかり働かせて『十分』にききます。
最後に、『心』でキャッチできる情報を、できる限り受け取るということです。
なるほどここまで全てできたら、ハートの振動が起こる『聴く』という行為になるわけです。

話し手の側になった自分を振り返るとよくわかりますが、自分の気持ちを全て言葉にできているということなどはありえません。
うまく表現しきれない気持ちや、直接的な言葉を使えずにもどかしい状態など、音声にはできない気持ちを上手にくみ取ってくれる聞き役は、世の中に存在しています。
きっとその人は『聴く』という漢字の意味をマスターしている方なのかもしれません。
これは、少しでも日常に取り入れたい行為です。

さて、くまさんは漢字を見て、分解しようと思ったのかをお聞きすると……
「初期段階はそんな事は思いつきませんでした。『きく』ということは耳で聞くものだ、鼓膜が振動するものなんだと思っていました。その程度の理解からのスタートです。小学生のレベルでやっていきましたが、だんだんと時間を重ねることによって、小学1年生から始まって6年生になり、そこから中学生、高校生になってきたという感じです。耳だけで聞くという小学生のレベルから、両方の意見を聞くという中学生のレベル、それから高校生から大学生になっていき、『きく』という文字は、耳で聞くだけでなく、『聴く』みたいな字もあるんだなと理解するようになりました」と、くまさん。

そして、文字をよく眺めていたら、パーツパーツが見えてきたのだそうです。
「分解してみたら、なるほどこれはすごい意味が込められている」と、自分自身で消化できてきたとのこと。
長い時間の中で生まれてきた発想なのです。

くまさんご自身、かつての自分を『別人』と感じるほどに、変化されています。

くまさんの変化の大きな源となっているものが、この番組でご紹介させていただいている、『私の所感』と銘打たれたパワーポイントで作成された作品。
今では4000枚を超える大作となりましたが、初期のころは、A4の用紙に月に1枚からのスタートだったのです。

しかも、文章を書くのが苦手だったため、イラストを中心に捕捉で文章を書くというスタイルからの出発だったわけです。
しかし、月1枚のはずがドンドンとペースアップし、いつの間にか毎日作成してもアイデアが尽きなくなってくることに……

このスピードの変化については、動画の中で語ってくださっているので、ぜひ確認していただきたいのですが、まさにくまさん流なのです。
無理をせずに、続けること。
この呼吸が、実に上手なのです。

そして、ずっと続けていくと、自然と力がついてくるのです。
その結果、それまでには見えなかった景色や世界が見えてきて、新たなアイデアがやってきたときにキャッチできる実力が備わっている自分に成長するのだと、くまさんは身をもって教えてくださいます。

また、こうもおっしゃいます。
「決して皆さんにわかりやすく、『これ、いいだろう?』と諭すものではなく、自分流に成長してきたらそれに気づきました」と、くまさん。
あくまでも自分流の作品なので、できた作品を渡されても、解説なしでは意味を理解することが難しいものもたくさんありますが、作品をご覧になった方が、その方なりに解釈するということも重要なのだそうです。

解説してしまうと、その解説に縛られるもとにもなります。

ひとそれぞれ、成長の段階が異なります。
同じものを同じ人が見る場合でさえ、その人の年齢によって、受け取る内容が変化するのです。

くまさんのものの見方は、本当にユニークです。
ぜひとも、参考にしながら、人生に活かしていきたいものです。

詳しくは、動画をご覧くださいませ。

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