前回、アンテナの向きをくまさんに教わりました。
当然、アンテナは身体の外側にあると思っていたのですが、どうやらくまさん流では、人間そのものがアンテナらしいのです。
芸術家やクリエイターの方は『天からメッセージを受けた』というような表現をすることがありますが、普通に暮らしている普通の人も沢山のメッセージを受け取っているようです。

確かに『虫の知らせ』という現象を筆頭に、日々の暮らしの中で知りたいと思った情報が、情報の方からやってきたという経験は誰にでもあるはずです。
アンテナですから、クリアな情報を得るためには、角度の調整は重要です。
特に人間アンテナの場合、角度調整は自らの思考そのものにも影響があるそうです。
立っている状態、座っている状態、横になっている状態、と、身体の状態や位置によって変化するというのです。
しかも、寝ている時は右向き、左向き、仰向けと、向きを変えるだけでも違うらしいのです。

「何か悩みを考えてた場合は、その姿勢からちょっと変えてみると思考が変わるんですよ。そこがなかなかできる人とできない人がいると思いますが、思考が固まっちゃっている時は、そこまで余裕がないから難しいでしょうけど、そういう時は思い切ってテストでいいから起き上がって座ってみるとか、角度を変えてみるとかすると、私の場合は意外と無理に『どうしよう?』と捉われなくてもリセットされた感じになります」と、ご自身の感覚をお話してくださる、くまさん。

「朝方アイディアが浮かぶというそのアイディアは、実は洞察力なんです。情報はアンテナと言うと、僕らはどちらかというと観察力、所謂外からのメッセージで何かを見たり何かを聞いたり、何かした時をきっかけにアイディアが変換して生まれる。それは言ってみれば観察力なんです。もう一つ、大事なのは洞察力。この細胞60兆の中に宇宙の全てのデータが入っています。その全てのデータを素直に思い出せる人と、なかなかフィルターがあって思い出せない人といるわけです。同時にその洞察力を高めるのは、静かな状態の時に、非常に受け取れ受け止めやすいんです。ですから朝方ですとか、トイレに行ったり、寝ようと思ってもすぐ寝られない時に洞察力が働いて、いろいろアイディアが連鎖していくわけです」と、おっしゃるくまさんですが、宇宙の全データが自分の中にあるとはなかなか思えないのが普通です。

実際にくまさんご自身も、以前はこんな具合だったようです。
「悩んでどん底の時は、マイナスの連鎖が始まるんです。『ここから逃げたい』とか『死にたい』とか、……。連鎖反応の回転がいくつも起こるんです。私の若い頃は『如何に銭儲けしようか?』とか『楽(ラク)しようか?』とか『賭け事をしよう』とか、ばかり考えていました」と、今のくまさんとはまるで別人の感じです。

ところが、今のくまさんへと変化していく中で、「そういう思考の時よりも、『善』の思考。開き直って『良いことをしよう』『ごみを資源化しよう』『これに集中するんだ』と、方針が切り替わった時は、まさに左側の方向から右側の方向に、今思い起こすとそっちの方に思考がポンと変わったわけです。夜中の2時3時に起きても、プラス方向の思考になっているわけです。悩んでる時、どん底の時は、マイナス思考ですから、『死にたい』とか『逃げよう』とか、破壊的な連鎖、連鎖、連鎖でアイディアが湧いているんですね」と、くまさんはおっしゃいます。

また、くまさんがアンテナでとらえたアイデアを確実に自分のモノにしていくために行っていることがあるのです。
「ポイントは、メモです。パッとひらめいたら、メモ用紙を用意しといて、そこにちょこちょこと書く。『後』というのは、『忘れる』という言葉と同じなんです。『後で起きたらこうしよう』とか、『後であれしよう』とか……。『後』という言葉は、忘れ物もそうじゃないですか?『後でなんとかしよう』ということは、コロっと忘れてやらないと同じだから、メモを活用する。私はここに座ってますけど、話してる最中でも、ふっとひらめいたら相手に分からないようにチョコチョコとメモしておくと、後でリセットできるんです。そこが役に立つんです」
まさに、くまさんならでは!
くまさんと接していて、このメモを取るという行動は、頻繁に目にします。
いかに実践しているかというのは、一目瞭然。
個の積み重ねが、他の方との『差』を生み出していると言えます。

そして、そのくまさんの『メモ』は、またまた、くまさんらしい場所に蓄積されていきます。
その名も『時間担当者』
「別名は『アイディア貯金箱』『アイディア予備軍』でもいいわけです。そこにとりあえず留めておく。それは、溜まったからって決して負担に感じてはいけません。溜まった箱は神様の担当ですから、自分がやる必要はないです。ただ、やることが無かった時は、その中から引っ張り出して、面白いのは、時間が消化してくれますから、『あの時はやろうと思ったけど、もうこれはいいか』とか、10個溜まったけれども、再度見直すと2個になったり3個になったり、それでいいんです。自然体の形で自分のペースに合わせて、時間とかお金とか、周りの環境に合わせてできることを一つだけやる」

この、ペースもまたくまさんならでは。ご自身のペースに合わせて、決して無理しないというのもくまさん流なのです。

「家庭の掃除するでしょう? 僕は1日1センチですから、『今日はこれだけ』っていうタイプなんです。うちの女房は1日1メートルですから、彼女はやり始めたら徹底してやるわけです。そのかわり、続くんです。マイペースですから。これ大事ですけど、自分の身体に相談すること、長くできることを……。『私は徹底します』という方はどんどんやってください」と、おっしゃるくまさん。

確かに向き不向きがあるので、くまさんを見習おうと思いながら、くまさんと同じことをしなきゃと思えばおかしなことになります。
人それぞれ、自分のペースにあった方法を見つけることが一番大事です。
でも、このくまさん流を参考にすることで、今までとはちょっと違った視点でモノゴトが見えてくるはずです。

「言ってる僕も昔は何をやったって続かない、できない、のダメダメサラリーマンの窓際平社員だったんです。ベースが非常に低いところにありましたから、『なんでできるんですか?』ではなくて、『なんでできなかった?』という自分がここにいますから……」と、今のくまさんからは想像しがたいことですが、どうやら事実のようで、こうした実際の経験があるからこそ、くまさんの言葉の信憑性は高く、今、うまくいかない人の参考になるのだと思います。
本当にありがたいことです。

詳しくは動画をご覧くださいませ。