世の中には、数えきれないほどのセミナーや研修が存在し、何を選ぶのが正解なのか?簡単には選べません。
そうした現状で、独自の視点と方法で、企業向けの教育研修コンサルタントをなさっている谷本真次郎さんに、お話をお聴きしました。

「私の研修スタイルというか、ちょっと変わっていまして、他とは違いを持たせています。なぜそういう風になったのかというと、理由があります。もともとはメーカーで営業の仕事していたんです。大学を卒業した後だったんですが、大学時代にアナウンサーの仕事がしたくて……」と、理由や経緯をお話してくださる谷本さん。

確かに、とても素敵な声の持ち主なので、アナウンサーという職業はピッタリです。

「憧れだったんです。やりたかったんですけど、なれなくて営業マンになって。でも7年ぐらい経った時に、『やっぱり自分は何がしたいんだろうか?』と思う瞬間ってあるじゃないですか?その時に、『人に何か伝える仕事、教える仕事をしたいんじゃなかったか?』と改めて思うようになりました。で、生命保険会社の教育トレーナー研修をする仕事についたんです」と、谷本さん。

生命保険は、販売資格を取得するための試験に受かることがスタートライン、そのため生命保険会社では、毎月のようにやってくる新人に向けて、試験に合格するための研修があり、さらに、業績を伸ばすための研修が色々と用意されています。

こうした背景があるので、通常であれば、入社するということは、研修を受ける側からのスタートなのです。

ところが谷本さんは、最初から、研修をする側で採用されたという、ものすごくイレギュラーなスタートなのです。

「私は別に生命保険の営業の経験があったわけでは無いんですが、教えてもらったりだとか、自分で勉強した事を一生懸命伝えるわけですよ、何十人もいる前で……。営業マンに教えるというより、最初、営業マネージャーの研修をしてくださいと言われました」と、谷本さん。

なんとその時は、20代後半だったとのこと。
ますます、普通ならあり得ないシチュエーションです。

「当時は目の前の方が40歳50歳ですから、私よりもキャリアが10年も20年は上の人たちの前で、一生懸命覚えたことを伝えたんです。結構話すのはそんなに苦手ではなかったのですが、一生懸命話せば話すほど、目の前で人がバタバタと寝ていったんです。一番前の人ぐらい起きてるだろうと思って見たら、顔はこっちを向いてましたが目が真っ白なんです」と、当時を振り返る谷本さん。

まるで漫画のような光景を前に、悩まれた結果……

「一方的に伝えたり教えたりしても何も残らないなと思ったんです。自分より経験のある人たちがほとんどなので、『その人たちの話をちゃんと聞こう』とか、『その人たちの持っているものは何か、引き出す役割になれば、私がお役に立てるんじゃないか?』そういう発想の転換がありました」と、谷本さんはおっしゃいます。

この時から2WAYコミュニケーションを取り始め、『教えない』というスタイルがスタートされたのだそうです。

講師である谷本さんは、『教えない』『話を聞く』という研修。
ところが、その研修を受けた方々の実績上がっていくという、摩訶不思議な現象が起こったのです。

「研修とかって、1日とか2日とかやっても結局お祭りじゃないですか?そこにジレンマを少し感じて、いや、かなり感じてて……。『なんかすごい良かったよなぁ。勉強になった』でも、終わって扉を出た瞬間に、もう日常に戻ってしまう。次の日、何事もなかったかのように仕事をしているわけですよね。『じゃあ、何のためにやってんだろう?』と思い、そこからそれこそ『教えない』トレーニング+ ちゃんと継続的にフォローしていくっていうのが、絶対必要だと思いました」と思われた谷本さんは、継続的なフォローに着目されたのです。

「色々研修をやる中で、知識、スキル、テクニックみたいなものを教えても、それは一過性の物で終わってしまうんです。そうじゃないアプローチが必要だなと思って、今、実際にやろうとしていることは、ズバリ言うと、自走式組織を作ろうと思っています」とのこと。

掃除機で言えば、ルンバのような『自走式』

「自分で動かないと、上から指示されて動くとか、嫌々やるんじゃなくて、自分からやりたいことをやるっていうようなメンバーが集まるチームだったら、それは生産性が上がるよね?と……。色々私もやって来て、結局何が一番必要かと考えた時に、それこそ会社や組織は、会社や組織の目指している未来っていうのがあるわけです。そして、社員は社員で『こんな人生を送りたいな』とか、『この仕事に就いたからには、こんな仕事をしていきたい』とかあるわけです。ところが、忙しく仕事してると、そんなことを考える時間もなくなったり、そんなこと考えなくても仕事ができたりしますが、でも、何か言われてることをがんばってやっている。それこそ、ふと思うんですよ。『何のためにこの仕事してんだろう?』って……」

確かに、会社員を経験している方であれば、ほとんどの方が仕事に追われ、『何のためにこの仕事をしているんだろう?』という気持ちを抱いたことがあるはずです。

谷本さんは続けておっしゃいます。
「でもそれが『自分がこうやって行きたい』って、未来をちゃんとはっきりさせた状態で、会社が求めている未来像とすり合わせていく……、方向性が一緒になってくると、それこそ社員さんも、『ああ、ここ目指してやってるんだ。これやりたいんだ』とやる気が高まりますよね?」

おっしゃる通り、会社のベクトルと、自分のベクトルが一致していれば、モチベーションは高まります。
しかし、こうしたすり合わせは、なかなか内部でやろうとしても難しいもの。
そこで、谷本さんが外部からビジョンをそれぞれに見せてあげるような感じで、すり合わせをなさっているのです。

そして、実際にあった事例を教えてくださいました。
「ある歯医者さんなんですが、スタッフが8人ぐらいいるんだけれども、社員さんは残業も多いし不満もあるし、という話をしてたんですが、その社員さんが実際に自分がどういうことをやっていきたいのか、ビジョンとかミッションとか、そういうのを発見するような時間を継続的にとっていったところ、『私こんなことをやりたいんです』という話になって、どんどん勢いが増してきて、今は社員さんが生き生き働いていて、残業も減るし、院長も楽になるし、自分の時間ができるし、いいことずくめですね」

その組織の業績やパフォーマンスを伸ばすという目的を持った上で、一人一人の不平不満をきちんと受け止め、やりたいことを引き出す。
これを外部の人間が、継続的に話を聞きながら、調整してくことで無駄なことが減っていき、結果、やりたいエネルギーが満ちてくるということに繋がったわけです。

確かに、この取り組みは色んな企業や組織で必要なこと。
こんな風に聞けば、とてもシンプルな事柄ですが、実際に本気で取り組んでいる会社は、ほとんどないのではないでしょうか?

多くの会社が、この取り組みを始めたら、社会全体が大きく変わっていきそうです。

ご興味のある方は、ぜひ、谷本さんにコンタクトを取ってみていただきたいです。

詳しくは動画をご覧くださいませ。

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