『フラダンス』という言葉を知らない日本人はいないというくらいに、言葉的にはなじみのあるダンスですが、その歴史や奥深さはあまり知られていません。
そこで、ハワイアンフラのインストラクター、奥田夕貴先生に色々とお話をお聞きしてみました。

フラダンスとハワイアンフラとは違うんですか?と質問してみたところ……

「『フラ』という言葉は、ハワイ語で『ダンス』を意味します。なので、『フラダンス』というのは『ダンスダンス』ということになってしまいますので、『ハワイアンフラ』という風に言っております」と奥田先生。

なるほど、かなり恥ずかしい言葉を話していたことに気づかされました。

そして、先生は続けます。
「フラの中では、大きく分けると、『古典フラ』と言われ、生の唄で踊る『カヒコ』と、ウクレレなどの現代的な楽器を使う『現代フラ』の『アウアナ』に分かれます。今、普通のクラスでは現代フラ『アウアナ』やることが多いです。場合によっては『カヒコ』をお伝えしたり、いろいろなフラをお伝えしています」

とても美しくしなやかに踊られる奥田先生は、なんと、2歳からフラを始めたとのこと。

「もともと近所のクラシックバレエの教室でバレエを習っていまして、その時にその場所でフラもやっていましたから、クラシックをやりながらフラをやりました。やはり2、3歳から始めるのがスタンダードという時代になってきています。私は東北で育ったのですが、子どもでフラをやる人はほぼいなかったんですが、運よく習うことができました」と、楽しそうにお話される奥田先生は、宮城県の白石市出身だそうです。

たしかに、運がよかったのだと思います。
都心部でも、クラシックバレエとフラを同時に習える教室は、なかなか巡り合えないはず。
それが、東北の小さな町で出会うというのは、運命といえそうです。

また、ほぼ年齢と同じくらいのフラ歴を持っている先生から見て、ハワイアンフラはとても魅力のある踊りとのこと。

「2歳3歳から踊り始めることができますし、これから80歳90歳100歳になっても踊れるんじゃないかなと思っています。実際に私の生徒さんの中で、本当に70代80代からフラを始めたという方もいらっしゃって、力をもらえます。フラのゆったりとしたリズムと、手足をバラバラに動かすというのは、脳トレ・リハビリです。本当に、身体のためには一生踊り続けたいなと思っています」と、おっしゃる先生。

たしかに、ほんの少し体験してみるとわかるのですが、手足の動作をバラバラに動かすのは、簡単そうで難しいのです。
まさに脳トレ。
決してスピードは速くないので、何回も練習すればできるようになるのでしょう。
しかも、下半身をしっかり使っていくので、基礎体力の向上、筋力強化にもちゃんとなります。

ハワイアンフラをずっと続けてきた先生は、お仕事柄ハワイへも度々足を運んでいるとのこと。
ハワイでのフラの実情をお聞きしてみると、
「ハワイの人たちは学校教育の中でフラを踊ったり、おうちの人がハワイアンカルチャーを大事に育てている方が多いので、ダンス教室に通っていなくても、実は何曲か踊っていたりということが多いです。歩くペース、生活のペースなどが、何もしなくてもフラになっているという感じの方が多いです。年配の方も、本当に、はつらつとした方が多いです。手脚がどんどん年代とともに動かなくなったりするんですが、そうすると表現の方法として表情で踊ったり、肩を揺らして表現したり、その表現が美しかったり可愛らしかったりです」とのこと。

年配の方が踊っている姿を想像するだけで、ハワイらしい明るい様子が目に浮かびます。
そして、フラにはそれぞれのダンスの中に意味があって物語性があり、それは古典フラならではの言い伝えだったり神話的なものだったりするようです。

「昔から伝承された踊りを踊ることも多いですし、神話だったり、自然の成り立ちだったり、昔の人の生活風景だったりに思いを馳せながら、口承伝承のものなので、口伝えなものとして自分が習ってるラインとか、先生によって伝えられ方は違うんですが、本当に丁寧に伝承されています。私は昔のものが好きなので、昔の曲等に思いを馳せながらノスタルジックな感情に浸って踊るのが楽しいです」と、先生。

実際に使われている古典フラの歌詞はハワイ語。
奥田先生は、ハワイ語も勉強されていて、とても詳しいのでびっくりします。
「英語のようにきっちりとした形がなくて語彙が少なかったりするので、前後の文章から言葉の意味を、読み取ったり汲み取ったり推測したりすることが多いんです。そういう意味では、本当に生活の中に使っていかないと汲み取れない部分が多い言語だと思います。すごく難しい。アルファベットの全てがあるわけではないので、13文字プラス記号が2つ。少ないものの中で表現します」と、奥田先生。

13文字とは、ビックリです。
まさに行間を読むように、相手の想いを汲み取る姿勢がないと、コミュニケーションが取れなくなりそうです。
ところが先生は、色々なくみ取り方ができるため、思いを馳せて、表現力、想像力を働かせて踊っていくのが楽しいと感じているそうです。

また、先生の教室は週1回約2時間。
その1、2ヶ月で1曲位、踊れるように指導してくださるとのこと。

「ステップもシンプルですし、やっていることが本当に手話に近いので、語るように踊っていくのが2ヶ月もあればやっていけます。あまり気負わずに、ですね」と、笑顔でおっしゃる奥田先生を見ていると、できそうな気分になってきます。

さらに、フラをすることによって、前述の脳トレみたいな機能だけではなく、いくつかのメリットがあるようです。

「お顔も含めて、身体だったり表情・表現力だったり、そういうものが豊かになります。肩こりが治る、お腹が痩せる、など、良いところがたくさんあります。想像以上にウエストラインを使う動きが入ってくるので、一番最初にお腹に効いてくる方が多いです」とのことで、全女性にうれしいお話です。
さらに、動きも女性的な部分が多いので、仕草や手の動きが変わってくるかもしれません。

現在、東京の代々木八幡と神奈川県の二宮でクラスをお持ちです。
ご興味を持たれた方はぜひ、コンタクトをとってみてくださいませ。

詳しくは、動画をご覧くださいませ。

■『Hoʻo mana』ホームページ

→奥田先生からフラを習ってみたいという方はこちら