● 2019年10月13日放送
以前にご出演いただいた税理士の鈴木康支先生。
ご本業をしのぐようなプロフェッショナルぶりを発揮されているもう一つの顔をおもちなのです。
それは、『骨董品屋さん』というお仕事。
とてもユニークなので、お話をうかがってみました。
お店の名前は『「傾久堂(かぶくどう)』
そしてお店の相棒である石本さんにもお越しいただいたので、石本さんから、鈴木先生の『骨董品愛』についてお聞きしたところ……
「先生の場合、通り一遍の骨董品ばかりではないところが面白いのです。
博物館レベルのものから、フィギュアまで。
東洲斎写楽の次に、いきなりマンガが出てきます」と、先生の事務所の風景が目に浮かびます。
実際に足を運んでみると、無造作に色々なものが飾られており、様々な物が一緒くたに並んでいます。
あまりの雑多さに、説明を受けるまでそんなに価値があるものとは思えないものが置かれていますが、それが、手が出せないような高価な品物だったりするのです。
鈴木先生の骨董好きは、単なる『好き』ではすまないレベルの造詣の深さです。
骨董への知識は本当に豊富ですが、教わらずにご自分で勉強するのがモットーだとのこと。
やはり好きなものに注がれるエネルギーは一番強いのです。
骨董だけでなく文章も書かれる鈴木先生は、世界の古美術・骨董の専門誌『小さな蕾』に隔月で連載もお持ちです。
先生が書かれる文章は、面白くて、特集も組まれるほどに評判が良いのです。
スタジオにお持ちいただいた号が、まさに「画家と文士の葉書 鈴木康支コレクション」という特集。
絵葉書をコレクションなさっているのですが、その絵葉書の送り主たちが錚々たるメンバーなのです。
棟方志功、高浜虚子、国木田独歩、島崎藤村、井伏鱒二……
彼等が描いた実物の絵葉書をコレクションでお持ちなのです。
「好きだったんで買った」と先生はおっしゃってますが、これら有名人の絵葉書、とてもお高そうです。
スマホの時代となった現在、葉書にあまり価値を見出さなくなった若い世代は、さほど絵葉書にも興味を示さないそうで、かつては1枚が数万円ではすまないお値段だったのですが、今は普通の方でも手が出る位にお値段は下がっているとのこと。
ご興味がある方にとっては、今は買い時のようです。
「ピンときたもの、自分が好きだと感じたものをひたすら集めてコレクションにしました」と鈴木先生。
今は税理士事務所の規模を縮小し、好きな骨董品と共に、とても楽しく人生を謳歌しておられるようにお見受けしますが、昨年、滅多にない経験をなさいました。
肺炎になったことで強制入院させられたのですが、その入院中になんと心肺停止状態になったそうです。
その間、おそらく1分間。
脳に損傷は無い長さですが、いわゆる臨死体験というものです。
残念(?)ながら、ご自身が寝ている姿を天井から見たとか、三途の川をご覧になったとか、こういう体験には至らなかったそうですが、病院の検査でご自分の心臓に起きていた問題が発覚したといいますから、これは怪我の功名。
ともあれ、心臓の問題が発覚したおかげで、きちんと処置ができて、命拾いできたのです。そのおかげで、末永く骨董の道を続けていけることになりました。
でも、そんな病院での出来事からはあり得ないほどに、山道を2万歩も3万歩も歩かれるそうで、健康な石本さんの方がついていけないくらいお元気とのこと。
どうやら、健康状態は問題なさそうです。
最後になりましたが、相棒の石本さんのご専門についてご紹介いたします。
初期伊万里の陶片や絵馬。
先生と知り合ってから手ほどきを受けたとのことですが、こちらも興味深い骨董品です。
初期の伊万里は、かけらだけでも、ものによっては大変な価値を持ちます。
小さい頃から骨董品がお好きだったのは、石本さんも同じ。
昔は遠くから憧れで見ていたものたち、手に入らなかったものたちに囲まれてお仕事が出来る、『今』をとても楽しんでおられるとのこと。
詳しくは動画をご覧くださいませ。
● 『傾久堂』WEBSHOPのページです。