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■ 『一般社団法人パイングレース』 副代表 酒巻 美子さん


● 2018年12月2日放送

収録中のオアシスハウスの部屋の中には、森の香りが広がっていました。
香りの正体は、『アカエゾマツ』のアロマオイル。
このオイルを作られた、酒巻美子さんに、貴重なオイルのお話をお聞きしました。

酒巻さんは、北海道にある一般社団法人パイングレースの副代表。
元々は、看護師さんだった酒巻さんが、アロマオイルの作成に関わることになった理由がとても素敵なエピソードなのです。

酒巻さんが当時担当なさっていたお仕事は、透析室のナース。
腎臓病を患っている患者さんたちと向き合うことになります。

ご存知のように、血液をご自身の力でろ過することができなくなった患者さんたちは、透析によって一旦自分の血液を体外に出してろ過し、また戻すという治療が必要になります。
その間約5時間、身動きもできません。
これを週に2回くらい行います。
残念ながら透析を始めたら、一生涯透析なしには生きられないと言われ、しかも透析後は予後が長くないのが現状です。

毎週、来院される患者さんとは家族のように近い間柄になるのですが、逆に言えば、そういう状態の方としか出会えない環境なのです。
出会って仲良くなっては、看取るという関係性。
想像しただけでもかなり精神的につらいお仕事です。

そうした日常の中で、「透析が必要になる前に、そうならない道はないのか?」と考えた酒巻さんは、看護師を続けながら、試行錯誤してセラピストを目指すことになるのです。
ご自分でも好きだったアロマセラピーを本格的に始めたのもこのためだったそうです。

そしてある日、弟子屈町の森に入った日のことです。
雨が上がったばかりの森には、これまで嗅いだことのない素晴らしい香りが、あたり一面に広がっていたそうです。

「この香りはなにかしら?」と、いろんなものに顔を近づけたみた結果、それは『アカエゾマツ』の洞(うろ)の中で発見!
そう、酒巻さんが魅了された香りの主は、北海道の三大針葉樹(カラマツ・トドマツ・アカエゾマツ)の中の『アカエゾマツ』の『樹液』だったのです。

しかも、『アカエゾマツ』は北海道の中でも道東と道北にしか生息しておらず、人間に荒らされない自然の環境で育つといえる樹木なのです。

そして、この香りが大好きになった酒巻さんは、「この『アカエゾマツ』のアロマ、どこかで買えるかしら?」と探しました。
ところが、残念ながらアロマオイルとして製品化されてはいなかったのです。

そこで、「ないのなら自分で作ろう。」と思い立った酒巻さん。

最初は、単にその香りが好きということから始まったのですが、そこからが大変です。
アロマオイルを作るためには、身の回りにある道具だけでは無理なのです。
それでも自分の想いを周りの方に伝え続けていたら、次第に協力者が現れ、道具までも手元にやって来ることになり、とうとう本格的に『アカエゾマツ』のオイル作りが始まりました。

実際に、『アカエゾマツ』から、オイルを作るには、全国的にも有名な富良野のラベンダーオイルの製造方法と同じ、水蒸気蒸留法によって抽出します。

オイルを作る最初の工程は、『アカエゾマツ』の枝と葉を刻み寸胴鍋にギュウギュウに詰め込むことだそうです。
鍋いっぱいの枝と葉の重さは5kg
しかし、ここからわずか30mlのオイルしか取れないのだそうです。
現時点では、本当に本当に貴重なオイルなのです。

ところで、北海道には、知事認定の『木育(もくいく)マイスター』という資格があるそうです。
酒巻さんは、この『木育マイスター』の6期生。
そして、同期の方の中に、酪農大学の教授がいらっしゃったことからミラクルがスタートします。

その教授が、酒巻さんの『アカエゾマツ』のオイルの香りを嗅がれて、「これはちょっと違う!」と、何かを感じたそうです。
そこから、なんと、大学の中で『アカエゾマツ』を使った研究チームが発足され、色々な研究が始まるという素敵な流れが起こります。

その結果、『アカエゾマツ』の抗菌性は類を見ないことが分かるのです。

抗菌性が高いということで、酪農業で飼育されている乳牛の乳房炎に試したところ、効果があることがわかってきます。
デリケートな牛たちは、ちょっとしたストレスで乳房炎をおこすことは多いそうですが、お乳を絞る乳房に抗生物質は使いたくありません。
こんな時に、このオイルは理想的な解決策となり得るのです。

最初は、香りが好きということからスタートして完成した『アカエゾマツ』のオイルでしたが、出来上がってみると、虫よけ、虫刺されなどに素晴らしい効果があることが、次々とわかってきした。
そして何よりも、香りを嗅ぐだけで、森の中にいるような癒しの効果が得られます。

現時点では医薬品でなくあくまでも『雑貨』という扱いですが、安全性や効果についてさらに実証されれば、大きな広がりが出てくることでしょう。

何しろ材料は、たくさん北海道に存在しています。
現在、『アカエゾマツ』は木の幹しか使われず、オイルの材料の枝と葉は、大量に廃棄されているのだそうです。
なんと勿体ない!

酒巻さんのご活躍によって、この神様からの贈り物とも言える素晴らしいオイルが、より多くの方のお手元に届く日がやってくる日は、そう遠くないと思います。

詳しくは動画をご覧くださいませ。

 ■ 『一般社団法人 パイングレース』のホームページ

● 貴重な『アカエゾマツ』の情報ページです。
  『アカエゾマツ』の研究活動や、
  オイルの蒸留の流れがわかるサイトです。

→『一般社団法人 パイングレース』のホームページはこちら






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