中山康直『縄文エネルギー研究所』vol.024

　■　『縄文エネルギー研究所』vol.024　中山康直さん

●　2018年9月2日放送

中山さんは２１歳にネパールを訪問して以来、この３０年間で、通算１０回も足を運ばれ、そうしたつながりの中で見つけた、『ネパールで見つけた日本人が失ったもの』についてお話をお聞きしました。

実はネパールは麻が豊富です。
麻を活用する提案を続け、ネパールの方々と深い繋がりを構築してきた中山さん。
こうした積み重ねの結果、麻によるネパールとの橋渡しが叶ったというわけです。

超過密スケジュールの中、今年４月の１０日間の訪問は、中山さんを『ブラザー』と呼んで慕うネパールの方からのお誘いによって実現したものでした。
彼は、今年２月に日本にやって来てくれて「ブラザー、完全に準備ができたから、来てください。」と中山さんに伝えます。
それは、『来ればわかります』と言っているような確信に満ちたお誘いだったとのこと。

そもそも、お釈迦様が生まれたネパールは、『仏教』という点でも、日本と縁が深い間柄。
そして、ヒマラヤは世界で最も高い山であり、日本海溝は世界で最も深い場所。
「高い所から深いところまで繋がったら、達磨というリング・車輪になる。世界平和の前に、まずアジアを平和にしよう。」
今回のネパール訪問には、中山さんらしいこういう願いも込められていたのです。

そしてこのネパール訪問で、中山さんは、これまで外国人が入ったことのない西ネパールを訪問し、そこで、日本人が失ってしまったものを目の当たりにしてきたのです。

さて、この西ネパールには、シェルパと呼ばれる山岳民族のコミュニティーがあるのです。
３年前に、やっと電気が通ったような辺境の地、標高２０００ｍ～３０００ｍの広大なエリアに住んでいる２８００世帯の人々は、実に調和的に機能しており、いくつもの点で驚愕的な事実を目にすることになったのです。

一つ目は、２８００世帯の中で、眼鏡をかけている人がいないことでした。
目が悪い人がいないのです。
大自然と共存している人体は、これほどに精巧に機能するのかと驚かされる事実です。

もうひとつ、子どもは沢山いれど、グズっている子どもを一人も見かけなかったそうです。
それは、西ネパールの山岳民族には、いわゆる『子ども』はおらず、３歳くらいの『小さな大人』がそこにはいるのです。

なんと、西ネパールでは、わずか３歳くらいから仕事をさせます。
雄大でありながら厳しい大自然の中で育てば、３歳で自立した大人となるのです。
そして、これらこそが、中山さんが目にした『失われたかつての日本人』の姿でした。

戦争前までの日本人の写真を見れば、同じ年齢の子どもたちがいかに凛とした表情をしていたかが、分かります。
そう、日本もかつてはこの驚異的な民族・シェルパたちと同じだったのです。

さて、１０日間のスケジュールの中、シェルパたちの案内で中山さん一行は、１日２０ｋｍから３０ｋｍも標高数千メートルもある山を４日間も歩きました。
傾斜角度は７５度。
２０００ｍ下まで見下ろせる高さにリアリティを持てる日本人は多くないでしょう。
酸素は薄くなり、凍傷や高山病にかかるレベルの山です。
そこで、中山さんたち支えてくれた地元の人の体力や意識には、想像を絶するものがありました。
標高数千メートルの場所でいとも簡単にバランスを取りながら、当たり前のように初めてあった日本人のお客を気遣ってくれるシェルパたち。
客人にいやな気分を味合わせないという心遣いを随所に感じるほどに徹底していた行動だったそうです。
これぞ本当のおもてなし。
中山さん一行にとって、彼らは、人の姿を借りた神様に見えたそうです。

そんなシェルパたちが最も嫌うものは、自分の立場を守ろうとする『保身』
自然界と繋がっていれば、あえて保身をせずとも、自分の立ち位置で自分のことができるのです。
そして、祈りとも深い繋がりを持つシェルパの人たち。
山を登りながら、ごはんの支度をしながら、食べながら、祈りが生活の中に落とし込まれているのです。
自然と繋がったシェルパの民たちの驚異的な身体能力、精神力、そして祈り。

でも、日本も、もともとは神仏と密接な関係にあった民なのです。
今、ネパールの方々から学ぶことで、これからの日本人・これからの世界の人々の進むべき方向が見えて来るかもしれません。

詳しくは動画をご覧くださいませ。