● 2018年7月22日放送
クラシック音楽のコンサートと聞くと、一般の方には敷居が高く感じるかもしれません。
ところが、ヴィア・ガレリアの岡田さんが企画されるコンサートは、少し様子が違うのです。
新たなファンが増えそうな企画についてお話をお聞きしました。
昨年開かれた、コンサートの中では、ヴィヴァルディ『四季』の曲が披露されたのですが、広く知られた名曲にもかかわらず、聴き慣れた『音』とは違う『何か』を感じた方もおられるかもしれません。
おそらくは、いつもはフルオーケストラで、しっかりと構成された『音』を、私たちは耳にしています。
ところが、少し小さな構成で、一つ一つの楽器の『音』と、そのバランスで、聴こえてくる『ハーモニー』というものは、格別なのです。
そして、古楽器である、『チェンバロ』が加わることで、いにしえの空気感までも引き寄せてくるのでしょう。
さらにこの時は、海外の演奏家も含め、なんと、練習を始めたのが本番の5日前だったそうです。
そのためメンバーどうしの癖や持ち味がまったくわからないまま、緊張感を持ったままのステージだったとのこと。
その良い意味での緊張感や、盛り上がり、熱気が演奏家の方々の間にあったのだそうです。
ステージとは、常に演奏家と、演奏を聴きに来てくださる方々双方が創りだすものです。
「この音楽のいいところを伝えたい。」
「今日はいい演奏が聴けるかな?」
こうした緊張が産むパワーが演奏会の原動力。
そして、それを感じていただけたなら主催者である私は本望ですと、岡田さんはおっしゃいます。
ところでこのヴィヴァルディは、バッハと同じく200年もの間 忘れ去られていた音楽家だったそうなのです。
バッハが数百年間の沈黙の後に再び脚光を浴びることになり、その研究の『ついで』のように発掘されたのが、1740年に亡くなったヴィヴァルディだったのです。
1950年代以降に、ようやく日の目を見ることになったとのこと。
もし誰も発掘しようとしなかったら、数々の素晴らしい宝がそのまま誰にも知られることなく眠っていたということです。
「埋もれている人たちはたくさんいます。素晴らしい才能を持って、ただ世の中に大きく取り上げられてない方々の音楽を聴いていただきたい」
ヴィア・ガレリアでは、今では超有名となったクラッシック作曲家は勿論、無名の作曲家の曲も、皆様に披露されています。
岡田さんは、『チェンバロ』2本だけの演奏など、一般的にあまり知られてない古楽器を主体にしたコンサートも多く数多く手がけていらっしゃいます。
そうしたコンサートには、テーマがあり、その中でストーリー性があることも特徴の一つ。
コンセプトは『旅』ということで、まるで、その土地、その時代へと誘ってくれるような構成なのです。
そして、聴きたい名曲を聴く目的で、会場に足を運ぶのが一般的なコンサートですが、岡田さん率いるヴィア・ガレリアでは違います。
ふらっと演奏会に来てみて、今まで聴いたことが無いような、コンサートピースにも乗ってないような作曲家の曲をお客様は耳にすることになります。
「あ!この曲いいじゃない!」
と思い、そして、その作曲家やその曲をもっと知りたい、聴いてみようかな? という出会いが起こる。
そういう『旅立ち』をプロデュースすることが岡田さんの本望なのです。
また、クラッシックの演奏会というと大ホールをイメージしますが、まさに室内楽という感じの小さめの演奏会では、身近で演奏家や楽器をダイレクトに感じられ、それはとても贅沢な時間を味わえるのです。
人生90年と言われる現在、自分が本当に面白いと感じられるものを探し求める時代になってきています。
活き活きと生き、素敵なコンサートに足を運べる。
この習慣が多くの方に根付いたら、世の中はもっと豊かになるでしょう。
さて、最後に、これからのヴィア・ガレリアのイベントについてです。
『フランス音楽の旅』の第四回目。
今回は、モダンな楽器によるバイオリンソナタ。
市ヶ谷のルーテルで開催されます。
色々な引き出しをたくさん持っていらっしゃる岡田さんワールドを、ぜひ体感していただきたいです。
詳しくは、動画をご覧くださいませ。
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