● 2018年6月17日放送
『おなかの中の赤ちゃんと会話をする』という発想は、以前は一般的ではなかったはずですが、今から18年前にそんなコンセプトの絵本が誕生していたのです。
この素敵な絵本の産みの親のお一人、サンマーク出版の高橋さんにお話をうかがいました。
『おなかの赤ちゃんとお話ししようよ』というタイトルのこの本は、もうひとりの産みの親、葉祥明先生が描かれた絵本で、多くのお母さんに支持され、合計5冊のシーリーズとなったロングセラーの最初の一冊です。
● おなかの赤ちゃんとお話ししようよ
今では、『胎教』は常識となり、お腹の赤ちゃんにも記憶があることが、多くの人に浸透してきていますが、今から18年前に、男性である高橋さんが、この絵本の企画をなさったということは、実にユニークです。
しかも、それまで絵本を一度も手掛けたことがなかったサンマーク出版から誕生したのですから、ちょっとしたミラクルです。
お話をうかがってみると、この本のアイデアのもとは、当時のご自身の環境からだったので、さらにびっくり。
その当時奥様が妊娠しナーバスになっていて、穏やかになってもらいたいと感じていたとのこと。
そこで、「妊娠中の女性が読む絵本があるといいんじゃないかな」と、思いついたのが最初のとっかかりなのです。
残念なことに、奥様の出産後の出版となったので、間に合わなかったのですが、結果的には、多くのお母さんとなる女性に、希望と幸せを運ぶ本が出来上がったのです。
また、当時の高橋さんは、ご自身が編集長を担当されていた雑誌が休刊になるという事態に遭遇し、社内での立場は微妙な状態。
それなのに、起死回生の一手として選択するには、あまりにも無謀な企画に感じます。
ところが、社長が、たまたま葉祥明作品が好きだったこと。
そして、たまたまある作家の方とお話していた時に、相手の方から発されたこの言葉……。
「昨日、葉祥明さんとお食事したの。」
その言葉を聞いた時のひらめきで葉祥明先生にお願いしようと決断されたのです。
まさに、巡り合わせの妙です。
ちなみに、葉祥明先生ご自身が、企画が持ち込まれた時に感じたことは、「僕は子どもを産んだことも、育てたこともないです。男なので……」とのこと。
当然すぎるセリフなのですが、それでも、何かを感じて取り組まれ、この本が誕生するのです。
出来上がってみると、子どもが大好きで、メルヘンブームの一時代を築かれた葉祥明先生の絵と感性は、この本のコンセプトにこれ以上ない適役だったのです。
手に取っていただければわかるのですが、先生が描かれた、全てのページの絵と文章には、愛と希望が詰め込まれています。
「書店さんで立ち読みし、2、3ページ読んだだけでポロポロ涙が出てきました。」という読者ハガキに書かれた文面からも、そのことが伝わってきます。
実際に、サンマーク出版に届くこのシリーズの読者ハガキの数はとても多く、他の本のハガキの内容とは、全く違う反響とのこと。
高橋さんご自身、作品に込められた想いが見事に読者に響いている事実に驚かれています。
そして、子どもを産んだことのない男性二人が作った絵本が、子どもを産むお母さんに贈る最高のプレゼントになっていることが、また素敵な関係性に感じます。
また、この絵本には、全てのページに英文が付いているということも、魅力の一つ。
これ自体、英語の学びにもなる仕掛けになっていますし、このままの状態で海外へも通用するグローバルな絵本なのです。
『ゆっくりと深呼吸してください。そして、心を落ちつけ、おなかの赤ちゃんと、心を通い合わせてみてください。
聞こえてきませんか?身体の中の小宇宙から、新しい魂の語り掛けてくる声が。
赤ちゃんは、地球と全人類の、未来と希望です』
これは、絵本の冒頭にある一節です。
ページを開いた瞬間に心に響く、絵本でなければできないことが、この本には溢れています。
ぜひ一度、書店でこの一冊を手に取ってみていただきたいと思います。
詳しくは動画をご覧くださいませ。
● サンマーク出版から出版された
葉祥明先生の5冊の絵本の紹介ページです。