● 2016年10月9日放送
知的障害者の方々が働く職場において、出荷部品が60ヶ月間(5年間)ミスゼロというの驚異的な工場があります。
そんな『株式会社 研進』の出縄社長にお話をうかがいました。
今までにも何度も取材させていただいている『株式会社 研進』さんですが、今回は、初めて見学されるタナカヒロコさんとともに、工場見学をさせていただき、タナカさんの感動の声もお聞きしました。
障害者と健常者という垣根が取り払われて、人と人が助け合って、チームで一つの仕事を成し遂げている姿は、とても感動的な光景であり、これからの社会のあり方を示していると感じます。
ヨーロッパでは、もう随分前から 『ソーシャルファーム』と呼ばれる、施設でも、企業でもない、第三の働く環境が普及してきています。
これは、障害者の方々に支援付きで雇用の機会を提供するものですが、日本ではまだこの考えを取り入れているところは多くないのです。
『株式会社 研進』さんでは、知的障害、精神障害などの障害を持つ方々によって自動車部品を生産しています。
もともと、設立時に、『本田技研工業』の『研』の文字と、社会福祉法人進和学園『進和学園』の『進』の文字でから取って『研進』と名付けられ、以来43年の長きに渡り、確かな信頼関係を築いて、今日に至るのだそうです。
そして、その本田技研工業株式会社は、昨年「平成27年度優先発注企業等の厚生労働大臣表彰」を受けました。
この表彰は、障害者就労施設等が供給する物品及び役務について、長年にわたり積極的な発注に取り組んでいる企業を表彰するもので、全国で10社が受賞されたそうですが、実績においては本田技研がダントツの一位です。
出縄社長いわく、「本田技研は、障害者の方々を支援することを、そもそも『福祉』とは考えていません。」とのこと。
そのため、株式会社研進への仕事の発注を、本田技研では、『購買本部』という、一般の企業の窓口とまったく同じ扱いで行っています。
通常であれば、『障害者施設』への発注ということで、『社会福祉』に関連する窓口を作って対応することが多い中、区別なく、普通の企業と変わりない扱いをされているというのです。
さすが、社会に大きく進出している企業は、時代を先取りして進む姿勢を持っていると言えるのではないでしょうか?
さて、そんな 株式会社研進 の工場では、働く全ての方が、楽しそうに生き生きと仕事をされています。
「障害は、単なる個々の特徴です。誰もが必ず得意とすることがあります。むしろ健常者より、よほど上手にできることがありますよ。」との出縄社長のお話です。
確かに60ヶ月に渡って、部品生産でミスが一つも出ないというのは、大手企業でさえ不可能なレベルの偉業です。
一人一人の得意分野を認め、役割分担をきっちり決めることで、極めて秩序だった体制で業務が進んでいるからこそ出来ることなのです。
障害をお持ちの方は支援されるという立場だけでなく、個性を活かして社会の一員として活躍していく時代に向かっていきます。
こうした考えが浸透し、制度が変わっていけば、障害をお持ちの方々が普通に働く場も増え、それが税金の分配のしくみも変えていくはずなのです。
詳しくは動画にてご覧くださいませ。
● 社会福祉法人進和学園の営業窓口会社ですが、
障害のある方々と共に「働く喜び」役立つ喜び」を
分かち合っている会社です。