● 2016年8月28日放送
日常の生活を一気に奪う自然災害。その中でメガネを失って困る方の数は、かなりの数に上るのではないでしょうか?
いわき市の『メガネ・補聴器の内山』代表取締役 内山さんにお話をうかがいました。
自然災害は、いつ何処で起こるかわからない自然の猛威です。
突然失われて困る物は、大小あわせて数え切れません。
2011年3月11日の東日本大震災は、いわき市や茨城県に多くのチェーン店を持つ内山さんのお店にも、大きな爪痕を残しました。
原発から7kmしか離れてないお店もあり、海に近いお店では、津波で建物自体も大変な被害を受けたそうです。
そして、まわりを見渡せば、裸眼で支障なく生活できる方より、メガネやコンタクトレンズを使って日常生活を送る方の方が多い現実があります。
つまり半数以上の方々は、裸眼で生活するのは、かなり困難な状況をお持ちなのです。
実際、テレビでインタビューに答えたある被災者の方は、何が一番必要かという質問に、「メガネ」と答えたといいます。
確かに、突然、『正常な視覚』を失われたまま、避難したり、慣れない避難所で生活を余儀なくされるとしたら……。
その困難さは容易に想像できることではないでしょうか?
3.11の大混乱の中では、他人を気にかけるどころではなかったとしても無理もないですが、内山さんは違ったのです。
まず、チェーン店の従業員の方たちの安否を考えたといいます。
内山さんご自身もご家族と共に車でできる限り避難されたそうですが、避難先から従業員の方たちのために、当面の生活費、避難費を送金されました。
「自分はメガネの提供を生業としている。そして現在、日本で一番メガネを必要としている人が多いのは、福島県なのだ。」
その思いで、震災からまだ殆ど日数が経ってない時に福井県の鯖江市へ向かわれた内山さん。
福井県鯖江市は知る人ぞ知る、『メガネの聖地』です。
なんと、日本のメガネフレームの9割以上のシェアを占める、まさに『聖地』なのです。
事情を聞いた鯖江の方々は、内山さんに数え切れない程のメガネフレームを提供してくださったそうです。
車に積めるだけのメガネフレームを積んで、レンズメーカーとも交渉をしつつ……。
なんと、3月22日、震災から11日目には、全店で営業を再開できたのです。
さらに、避難所を周り、被災者の方々の視力を測って、500本のメガネを作られました。
困っている人を助けようという、この内山さんの使命感は、マスコミにも取り上げられ、ラジオ局やテレビ局でも放映されました。
日本の、人間本来の底力です。
そして、善意は伝染します。
ひたむきにみなさんの為に精力的に活動された内山さんには、日本全国から多くの方々との繋がりが生まれました。
また、福井県鯖江市の小学校に勤務されていた岩堀美雪先生と繋がったのも、この流れの延長線です。
こうして、震災によって創られた輪は、今も各方面に広がっているのです。
詳しくは動画にてご覧くださいませ。
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