● 2016年4月17日放送
1940年代、日本が日中戦争から太平洋戦争へと向かうころ。
そんな時代に、妻から夫へ115通のラブレターが……
実際の手紙から本を執筆した稲垣さんにお話をうかがいました。
昭和20年、激戦区のフィリピンで何人の日本人が亡くなったかご存知ですか?
60万人です。
その地の夫に宛てた妻からのあまりにもピュアな恋文。
その恋文を書籍化した稲垣麻由美さんのお話は、普段当たり前だと思っていることに風穴を空けてくれる衝撃的な内容です。
『115通の恋文』
これが本のタイトルです。
● 『115通の恋文』
「あなたが恋しくて」
「愛しくて」
「なつかしい私の大好きなあなた」
大正生まれの女性が、こんなにもストレートな表現で、戦地で戦う夫へ「逢いたい」という心を送り続けたのです。
陸軍歩兵部隊の隊長だった山田藤栄さんが、兵を率いながらも戦場から生還できたのは、
妻・しずえさんからのこの恋文が支えとなったのは想像に難くありません。
115通の手紙は、大切にリュックの下にしまったまま戦地を潜り抜け、とうとう日本の妻の元まで戻ってきたのです。
イメージブランディングや出版プロデュースを手がける株式会社一凛堂の代表、稲垣さんは、この恋文の存在を知ったとき、
ただ単に手紙を一冊の本にまとめるだけでは伝わらない戦争の背景について、ご自身で調べていくことにしました。
おそらく、この動画を視聴されるほとんどの方は、戦争を経験していないでしょう。
フィリピンで亡くなられた方の数の60万人とは、鹿児島県の人口に相当します。
こういった戦没者の数も含め、稲垣さんは軍歴証明書を取り寄せたり、靖国神社にも訪問したりして、
幅広く細やかに当時の日本の状況をご自身で追体験なさいました。
その重みは、この本の中に、恋文を書かれた女性・しずえさんご本人の想いと一緒に綴られています。
戦争のない時代に生まれ、好きになった人と交際、結婚、
そしてお互いの気持ちがすれ違えば離婚する事も普通にできるようになった、今の私たち。
『当然のように色々なことを得る事ができる世の中』と引き換えに、得ることがなかなか難しくなってしまった『ピュアな恋する心』
この本は、戦後70年を迎えた現代にこそ、新鮮に私たちの心に響く一冊となるでしょう。
そしてなんと、5月には舞台も決定しています。
そうそうたる実力俳優さんたちによる朗読舞台。
『ピュアな恋心』を疑似体験できそうです。
詳しくは、動画をご覧くださいませ。
● 2016年5月10日(火)~15日(日)
『逢いたくて…』というタイトルで、
新宿シアターサンモールにて上演。
男2人と女1人の3名による朗読舞台は、
豪華キャスト16名が9通りの組み合わせで、
それぞれ個性的な舞台を作り上げます。
○作・演出:樫田正剛
○出演:イッセー尾形・北村有起哉・青柳翔・町田啓太
石野真子・奥菜恵 他
● 稲垣麻由美さんの会社『一凛堂』
人の製品の内側にある想いを引き出して『言葉』に……
ブランディングや出版のプロデュースを手がけています。