● 2017年3月5日放送
先週に引き続き、ヴォイストレーナーであり歌手の今野広樹さんから、発声に関するとっておきのお話をお聞きしました。
「もっと声が出せるようになりたい」と、思っている方には必見です。
先週のお話にもありましたが、日本人の声帯は繊細だそうです。
そのため、アフリカ系の人達のような厚みのある歌を力強く歌おうと思って頑張ると、声帯だけでなく身体も痛めてしまう可能性があります。
通る声を出せるようになるには、腹式呼吸が重要だと思っている方がほとんどで、パワフルに歌うために、腹筋を鍛える方も多いはずです。
ところが今野さんは、歌を歌うことに腹筋は無関係であるとおっしゃっています。
実は、今野さんご自身、声帯は人一倍繊細だったそうです。
しかし、ラッキーな今野さんは、渡米後に素晴らしいトレーナーの方と出会います。
マイケルジャクソンをはじめとする、著名な歌手のトレーニングを担当されていたそのトレーナーの方から、「声は身体から出すものではない。身体の上に斜めになった反射鏡があって、そこに向って声は放つもの。」ということを学ぶことができたのです。
歌を練習するためのトレーニングは、フィジカルトレーニングではなく、スピリチュアルトレーニングに属すると、きっぱり言い切ったアメリカ人お師匠さま。
よく響く声を出す時には、身体の力は抜くものだそうです。
歌を歌うときに必要なものとして、声帯をはじめとした物理的な部分は、全体の20~30%であり、残りは歌への想いだそうです。
抽象的だと思われるかもしれませんが、『歌うこと』と『喋ること』は同じ次元であり、言葉で相手に何かを伝えるように、歌も音で相手にメッセージを送る手段なのだそうです。
とは言っても、歌のための物理的アイテム・声帯の使い方を正しくコントロールすることが必要なのは言うまでもありません。
「『声帯は楽器』どういう音を出す時に、声帯のどの部分を使えばいいのか?」
というノウハウは、20年に渡るアメリカでの活動で完全に身に付け、今野さんは帰国されました。
アメリカで2枚のCDを出した今野さんですが、次の作品はマントラを使ったものになるということです。
中身の意味がわからなくても、その言葉の響きそのものが凄い力を持つという『マントラ』
聴くとパワーが漲ってきそうです。
「ものすごく、創るのを楽しみにしているんです。」
心から楽しそうにそうおっしゃる今野さんのこの作品、完成が楽しみです。
詳しくはどうぞ動画をご覧くださいませ。